AIの学習をオフにしても、会社で使えるか、どの資料を送れるかは、社内の決まりを確認する必要があります。許可がわからないまま、顧客の名簿や見積書、社員の給与、未発表の売上などを送るのは避けてください。

2026年10月23日、パナソニック オペレーショナルエクセレンスは、社内で利用を禁じた外部の生成AIへ、従業員や家族らの個人情報が送られたと発表しました。学習に使う設定はオフでした。発表時点で、一般に公開された事実や、不正利用による具体的な被害は確認されていません。

学習オフでも、送ったデータは保管されていた

発表には、この件のデータは、利用者が削除したあとも、サービス事業者が30日間保管する扱いだったことも書かれています。学習をオフにする設定をしても、資料を送れば、相手の会社がデータを扱うことになります。

仕事で使う人には、設定の変え方と一緒に、そのサービスへ渡してよい資料の範囲も伝えてほしいと思いました。送信したあとに消せるかに加えて、そもそも送ってよいかがわかれば、資料を選ぶ段階で判断できます。

見積書の社名を消しても、値引きの条件は残る

例えば見積書なら、取引先の名前をA社に変えても、その相手にだけ出した単価や値引きは残ります。名前がなければ送ってよいと決める前に、取引の中身まで外へ出してよいかを確かめる必要があります。

会社がAIの活用を勧めるなら、社員には実際の仕事に近い例まで見せてほしいです。見積書をそのまま渡せるのか、金額を消す必要があるのか、メールの文章だけなら頼めるのか。使えるAIの名前と、機密情報に注意という説明だけでは、目の前の資料をどう扱うかまではわかりません。

資料のどの部分を使えるかがわかる例があれば、社員も、上司やIT担当者へ何を確認するかを絞れます。

資料を渡さない下書きも、仕事での使い道になる

社内で使えると確認できたAIなら、見積書を送らず、「値上げの申し出を丁寧に断るメールを書いて」と頼む使い方もあります。相手の名前や金額は、できた文章に自分の手元で足せます。実際の資料を使わなくても、文章の言い回しは考えてもらえます。

AIを使ってほしい会社には、こうした頼み方の例と、資料を送る前の確認先を一緒に案内してほしいと思います。使える範囲が具体的にわかれば、社員が自分の仕事で試すきっかけにもなります。